2012/09/16（日） Les Miserables　〜網代で丸ボーズ〜

これは祭りに魅せられた男達が数奇な運命の波に翻弄され地獄の底へ転落していく悲劇の物語である。

【シーン1】欲望の構図

9月に入り網代ワラサ祭りの声が聞こえてきた。
連日20本以上，船中100本以上･･･，祭りの声が聞こえるこの時期，世を忍ぶ仮の仕事に身が入らない。
え？，そうです，聞こえてこなくても身は入ってませんけどね。
青物系は釣果が刻一刻と変化するので気が気じゃないんですよ。

今年こそはS-8000を満タンにしたい。
釣ったワラサは，刺身，照り焼き，しゃぶしゃぶ，塩焼き，そして余ったら味噌漬け･･･
考えただけでも〜たまらん。
いつ行くのよ？

【シーン2】神が導くもの･･･俺たちはバカなのか？

たいちょーとシンジャと釣行計画を練る。
各自の都合を踏まえたところ，Xデーは16日となった。三連休の中日だな。

三連休の網代･･･とてもイヤな思い出がある。
忘れもしない2010年9月19日（日），今回と同じ三連休の中日だ。
釣果はゼロ，疲れた体に追い打ちをかけるように真鶴道路の大渋滞につかまり，それはそれは酷い目にあったのだ。
あのとき，たいちょーとともに誓ったのだ「三連休の網代はもうやめよう」と。

しかし，釣り師とは何とバカなのだろうか。分かっているのにまた三連休の中日に設定しちゃった。
懲りない面々というか，俺たちはバカなのか？学習能力がまったくない。

釣果にしろ道路事情にしろ，同じパターンを毎年繰り返すものなのか，はたまた，まったく違うことが起こるのか･･･
一抹の不安を抱えつつ，渋滞の恐怖よりも祭りの余韻を選んだのであった。

【シーン3】魂の救済･･･平和な日々，これから待ち受ける過酷な運命を男達はまだ知らない

22:00，たいちょーを迎えに行き，一路網代へ。
途中，平塚PAで休憩。ここはいまトイレを改装中。
急ごしらえのプレハブトイレで入り口の階段も手作り感満載でチープに仕上げてある。
でも中にはちゃんとクーラーも装備してあるのだ。
しかし，こういう施設整備ってもの大変だねぇ。利用者にすこしでも快適さをって感じかな。
昔だったらとても考えられないサービスだ。時代変わればってとこかね。 

0:00頃，網代漁港到着。
そしてすぐさまコールドスリープ。

【シーン4】黎明紀･･･新たな夜明け

4:00頃，解凍システムが作動し目覚める。
まだ暗い。だいぶ夜明けが遅くなったものだ。

5:00の集合時間に合わせ，いつものように釣り客が集まってくる。
何ら変わらない，毎年のデジャヴである。

今日のつちそうは2艘立てらしい。
これまたいつものように船長が名前を呼んで釣り座を指示する。
我々は右舷舳の#3，4，5だった。
一昨年も右舷の舳･･･得体の知れない何者かに導かれているような気がするが･･･

さあ，今日一日いったいどうなるのか，乞うご期待である。

【シーン5】審判の日･･･カエルの命運をかけた戦い

5:30頃出撃。
いつものようにポイントは初島周りだ。
すでに船団が形成されている。 
6:00のスタートフィッシングまで待機。

久々のワラサだったから･･･クッションを忘れたぁ〜
船長からは6号6m，たな10mのアナウンスが。
ハリス6号となるとクッションは必須。無いならば若干ドラグ調整でしのげるか？
男なら直結勝負！今日はクッション無しで取る！！

6:00，スタート！

【シーン6】運命の十字路･･･勝者と敗者の境界

開始後何度か入れ直すが魚信どころかさわりも無い。
付けえさもそのまま戻ってくる始末でエサ取りもいないようだ。

大艫の素人オバチャンのいい加減な置き竿にヒット。
そして隣のオヤヂもヒット。
しばらくして，その隣のオヤヂにもヒット。

よ〜し，ケツから差してきてるぜぇ。
どう考えても次はケロだ。
しかし，ワラサの差しはケロの位置までとどかず，艫の三人止まりとなっている。

ケロの予想はこうだ→
おそらく敵は左舷後方から艫をかすめるように右舷へと差してきているのだ！（見た訳じゃないが･･･）

それ以外にケロにヒットしない理由が思い当たらん。
その証拠に，舳の5名は依然ノーヒットなのだ。
1時間，2時間，3時間･･･まったく釣れない。
釣れないどころか魚信の一つも無い。

何度かポイントを変えるがやっぱりノーヒット。
船中もまったく活気が無い。

たいちょーもシンジャも横顔に落胆の色を隠せない。
舳#2のオヤヂに至ってはラッコモードの寝そべり様である。
ストップフィッシング間近。
突然シンジャのロッドが弧を描いた。
「＠×？＊＋＋＋；；￥￥」何を言ってるかわからんが魚がかかっているらしい。
頼む，ばらすんじゃない。ばれたら我々は何をしに来たのかわからない。
息をのむたいちょーとケロ。
シンジャも我々の殺気を感じ取ったのか超慎重モードで取り込みにかかる。
息苦しい数分間が終わり，ワラサちゃんは無事中乗りさんのタモに収まったのだった。
これが貴重なシンジャの獲物である→

それにしても･･･たいちょーは後ろで何をやっているのか･･･
ボーズショックで壊れてしまったのか，
それとも，おれ様が釣っってたらこんのぐらいはあったぜぇ
というパフォーマンスなのか･･･
どっちにしてもむなしすぎるぜぇ〜！！
朝のうちあれだけ晴れていた空も，帰港時にはごらんのとおりの涙模様だ。
霧に煙る網代の街。
情緒を感じとっっている余裕もありゃしない。

たいちょーとケロの涙雨なのだから。

全体の釣果も0〜3，船中も10本代じゃなかろうか。

しかし，釣る者と釣れない者，この差はいったい何なのか。
永遠の命題である。

【シーン7】聖なる予言･･･データは語る

さて，これを見て欲しい。
9月のつちそう釣果のプロットである。
我々のXデー，しかも午前船は底値付近であることを如実に示している。
午後船は若干回復の兆しがあるのか。

実は，午前船がダメなら午後船に通しで乗ろうとも話していたのだが，前日の午後船の結果も芳しくないのを踏まえ止めてしまった。もし乗っていたら？
いや，”もし”を考えてもしかたない。

その前にケロの心は折れていたのだから。

このまま今年の網代は終わってしまうのか。それとも，再起はあるのだろうか。

【シーン8】傷跡

傷を負った翼を癒すのは･･･
ところ変わってここはいつもの妙楽湯である。
いつになく今日は盛況のようだ。これも三連休のなせる技。

湯に浸かりつつ敗因を考えるが分かるはずもなく，
おろしそばを食べて帰還。

真鶴道路は一昨年ほどではないにしろ，所々ノロノロ状態だった。
釣果ゼロ，帰りの渋滞，やっぱり，パターンは繰り返すのだ。

【予告編】再生･･･尊き誓い

翌日，たいちょーから「つちそうが再び大爆発だ」というメールが入った。
確認すると，確かに午後船9〜20本だ。
何てこった，裏目裏目にいってるな。

たいちょーはすでにリベンジを図るべくつちそうウォッチを開始しているようだ。
これはリベンジせずにはおけないよな。

もうジギングに逃げちゃおうかと思ったけど，やっぱり網代の仇は網代で討つ。
これが真の釣り師ってもんだ。
みとけよぉ〜網代ぉ〜，ぜってーたたきのめしてやるぜぇ！


本日の釣果 
丸ボーズ

本日の潮時（東京港）［中潮］ 
満潮 干潮
04:51 11:04
17:11 23:11